―― バレン ――

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「でしたら坊っちゃん、ゆっくりしててくださいな。そろそろ夕食時ですし」 「そうだな、久しぶりにマリーのスープが飲みたいし」 あらまぁ、と顔をほこばせるマリーに微笑む。 ───彼女には本当の事を言えない。 罪を犯した自分が、昔どおり武器商人としてやっていっていいのか。 それ以外に自分の生きる道はないのか。 ……そんな迷いのある自分に、慕ってくれる使用人達の運命を巻き込んではいけない。 ──王国の檻を出た今でも、バレンの心は罪という檻に捕まったままであった。
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