―― バレン ――

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「あらあら坊っちゃん、寝坊ですよ、朝御飯のご用意ができたから、たんと食べ──」 「まっ、マリー!彼女は誰だっ?!」 早口に問うバレンに、あら、と女が声を上げる。 「マリーおばさん、バレン様に言っておかなかったの?」 「あれ、忘れてたよ、年を取ると嫌だねぇ」 「そんなのはいいから、彼女は誰なんだ!!」 あまりの状況に、唾を飛ばしながら再び聞いた。 それが聞こえないように、マリーは彼女に話しかける。 「まぁ、こんな所で紹介もなんだから、食事でもしながら話しましょ。 ユーリヤ、用意を手伝っておくれ」 「はい、マリーおばさん」 女同士、仲良く話しながら、部屋から出ていく。 後にはあんぐり口を開け、固まった寝巻き姿のバレンが取り残された。
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