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「あっ、あのさヒカリちゃん。1個訊いてええ?」
俺は食べることは中断せずに無言で頷いて、肯定の意を示した。
「ヒカリちゃんは、俺のどこを好きになってくれたん?」
俺はその時ちょうど、白玉を食べているところだった為、口の中の物を噴きそうになった。
勿論、間一髪で噴いてはいないけど。
質問に答えるべく、ゆっくり咀嚼して、白玉を飲み込んだ。
「何ですか、いきなり……まぁ、ええですけど。……そうですね」
俺は、黙り込んだ。その間も謙也さんの瞳は期待に満ち溢れてキラキラしていた。
俺は何を言えば良いか困って居ると、謙也さんとの思い出が頭を駆け巡った。そこには、どんなときでも優しい顔をした謙也さんがいた。
━━そうか、これが謙也さんの良いところか。これ以上ない素敵なことやと俺は思う。なんたって、俺はいつも無愛想だし、あんな綺麗な顔では笑えへん。
「カッコええところ。笑顔が綺麗でキラキラしているところ。でも、一番は優しいところ。うん、誰にでも優しいところがええです。」
「そっか」
俺は考えている間、1つ思ったことがあった。
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