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結局、部長のお姉さんのお古の制服を着て部活に行く羽目になった。
そして、部室に入った途端に千歳先輩が目を輝かせてこっちを見てきた。
「可愛いばい。白石、それもらってよか?」
その瞬間、俺を含めた4人の中に沈黙が訪れた。
「冗談ばい。それ、謙也くんにあげると?羨ましか~」
「千歳先輩、冗談は止して下さいよ。可愛いなんてあるわけ無いですやろ?」
「あ、謙也もうすぐ来るで。名前は、どうしよか、ん~……ユウジ名前貸してな。ちゅー訳で、一氏ヒカリって名乗るんやで」
俺は深く溜め息を吐いて返事をした。
いくらかして、謙也さんが部室に入ってきた。
「みんな、おはようさん!ん?白石、この子誰や?」
「おはよう、謙也。この子は、ユウジの妹なん。あ、ヒカリちゃん知っとると思うけど、これは謙也な」
俺は、嫌だったけどなるべく可愛く見えるように挨拶をした。
「一氏ヒカリと言います。よろしくお願いします、謙也さん」
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