死と言う名の始まり

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  チャリン…チャリン…     ……ピッ……     ガコンッ!   音と共に自販機からコーヒーが出る。時間は10時過ぎ頃、少年はコーヒーを手に取る。   「ふぅーあったけーッ生き返るな!」   少年はそう言いすぐには栓を開けなかった。コーヒーをカイロ代わりに手を温め、自販機の隣りへ座る。   少年はこの近くの高校生の間羽宮道(あきはね みやみち) この時間はすでに学校はどこも始まっているが、宮道はいつもこの時間をウロウロして過ごしている。   宮道はゆっくり空を見る。 電線に止まる鳥をいつも通り見ながら独り言を呟いた。     「学生って何だろうな……いつもの事だけど、学生は本当に未来の為に行ってのかな?勉強を学ぶ為に生きてんのか?」   足を崩し背伸びをしようと両手を挙げる。すると片手が勢いよく自販機の側面にぶつかり鈍い音が辺りに響く。     「いてぇええぇ!!」   宮道が叫ぶと鳥は今の音にびっくりして飛び去っていた。   「……あ……」 鳥は自由に羽ばたき 見えなくなっていった……   それを見た宮道は、何故か輝かしい目で見つめ、ようやくコーヒーの栓を開けた。 そして、最初の一口を噛み締めるようにして味わった。   「はぁ……」   コーヒーが美味かったから出たものなのか、溜め息だかわからないような声が出た。   「どうなんだろうオレ……自殺でもしようかな……?いや……そんなことしても何も変わらねぇし面白くないな……」   近くで学校の始業ベルが鳴り響いてきた。   「近くの学校のベルか?そういや……オレんとこも二限目くらいかな?そろそろ行くかな……」   そう言うとコーヒーの残りを一気に飲み干す。   「プハッ!……えーと二限は……社会科!?うわぁ!またあのセンコーかよ!!」   社会科の先生……それを思い出すと同時に昨日の会話がよみがえる。   ……。   授業の途中で遅れて入ると、学校は学ぶ為にある。必要の無い学ぶことをしない生徒はいくらでも捨ててやるからなと言う言葉が妙に腹が立つ。   そして同時に何でこんな悪いヤツになったんだろうと自分を責め立てた。  
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