6人が本棚に入れています
本棚に追加
…いつでも捨てられる世界…
そんな世界を畏れた。
そんな所に居ても何も変わらないことを…
「ここで思い入れが無いうちに死ねたら楽かもな」
少年は立ち上がり、ゴミ箱に缶を入れるが…
…ガシャッ!…
「ん?なんだ入んねーぞ?」
ゴミ箱の中がいっぱいで入らないようだ。
「くっそ!ふざけやがって!」
思いっきり力を無理やり押し込む。すると少しずつ中に入って行くのが感じられた。
「うらァァアッ!」
ガラララッ!ガタッ…
ゴミ箱のフタが取れ、中から缶が溢れ出た。
「うぁああぁ!?ばっちぃ!」
中に残るジュースやらが制服にかかり異様な臭いが付く。
「くそっ…オレが何をしたんだ…」
缶が辺りに散らばるのを中腰の状態で拾い集める。
ゴォォッ…
急に耳に変な音を感じた。
(耳鳴りか…? 耳鼻科にいかなきゃな…鼻づまりも最近ひどいしな…)
そう思うが音は段々、大きさを増していく様に聞こえた。
そして…ゆっくり後ろを振り返った。
ゴオオオオオオォオォォォオオオォオ!!
物凄い勢いでトラックがこちら目掛けて走り抜ける。
「何でだ?この道は一方通行で向こうからは入れないはず…運転手は何やってんだ!?」
色々な言葉が頭をよぎる…そしてトラックは加速した。
トラックは勢いを更に増して轟音を放つ。
「なっ…よけれな…ぃ」
…ガシャンッ…
最初のコメントを投稿しよう!