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「…ヤ……ミチ……アキ…ネ…ミヤ…ミ……チ……」
(どこからか声が聞こえる…オレは…そうだ…トラックに轢かれて死んだんだ…)
そう思うと同時に目を開いた。暗かった世界に光りが入る。
そして慌てて起き上がる。
「何だ!?何だここ!!」
少年は周りを見渡す。地面はふかふかでやわらかく、まるで雲のようだ…空には薄い雲が掛かり、丸い光が宙を舞い虹色に輝いている。
「あれ?何だろ…?」
ふと先に青白く光るものが見えた。
少年は今自分が何故ここにいるのか、はたまた自分はここで何をするのかわからないが、その光に誘われるように歩み出した。
地面のふかふかに足を捕られながら、一歩一歩を歩み出した。
少年は光の方向に進みながら、様々なことを考える。
この世界は何なんだ?
自分が『死にたい』みたいなことを言ったから死んだのか?
トラックに轢かれて気絶しながら夢を見てるのか…そんなことばかり考える。
辿りついた光の正体は松明だった。
大きな扉の左右に付いた松明の明かりが見えたものだった。
「…絶対にありえねぇーな…この扉の付き方」
扉は少し宙に浮き、まるでどこかに繋がっているようだ。
「…お!扉が少し開いてる…中に入れるな」
中は暗くてよく見えないが、他にそんな扉のようなものは見当たらない、おそるおそる扉の中へ入っていった。
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