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ケネス・ローガンは自室のベッドで目を覚ました。
とても爽やかとは言えない目覚め。昨晩は、来週に迫るイラクへの派遣を前に、同僚達とNYの夜を楽しんだのだ。
もともと、戦争がしたくて軍に入ったのではなかった。それしか職がなかったのだ。
いざ、戦いに駆り出されるとなると、不安や恐怖から酒を飲まなければいられなかった。
ケネスはふらふらする体に鞭を打ち、洗面所に向かう。
そして、無理矢理目を覚まさせる為に冷水で顔を洗う。
鏡に一瞬何か人影が映った。
「誰だ?」
ケネスは振り返る。しかし、何もなかった。背後にはユニットバスがあるだけだ。
「二日酔いだな・・・」
おそらく、二日酔いでフラフラの頭が、何かを見間違えたのだろう。
頭を叩きながら、着替えてそしてアパートを出る。
派遣前の休暇も終わり、今日から出発までは基地内に閉じ込められまた訓練だ。
憂鬱で仕方なかった。
基地内の洗面所でもう一度顔を洗う。フラフラして仕方がなかった。
おまけに目の前が暗くなってきた。
突然、肩に冷たい感触。ゴツゴツした手だった。
ケネスは鏡を覗き、自分の肩に手をのせている人物を確認する。
紺色のフード付きのぼろ切れを羽織った男・・・いや性別はわからない人物がいた。顔もフードの影で見えなかった。
「何だ・・・?お前は?」
『・・・』
ただ肩に手を置いてるだけで何も話さない。
何者かはわからないが、肩に手を置かれるだけで、今までにない恐怖を感じだ
「誰だと聞いている!!」
ケネスは手を払いのけ、軍の支給品のベレッタを構える。
『時が来たようです・・・貴方をお呼びにきました』
かすれた声で話す。
「何だと?質問に答えろ!お前は誰だ!?」
『・・・死神・・・』
ケネスはその言葉を聞いた直後に床に崩れ落ちた。
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