第二章

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 人影がゆっくりと近づく。ケネスは初めて、それをしっかりと見た。  人ではない。まして、生物ではない気がした。  全身どろどろに溶けているようで、腕のように伸びる二つの突起物からは、溶けた身体が垂れ流れ、両足も一歩踏み出すごとに地面に糸を引いている。  頭のように突き出た部分はあるが、顔はなかった。  ゴボゴボとホンプで水を流すような声を発しながら近づいてくる。 「何だ・・・お前は・・・」  ケネスは後ずさる。 「くるな。それ以上近づくな!」  ケネスはとっさに、ベレッタを構える。 「それ以上来るな!!」  その不気味な物体は、確実に近ずいてくる。 「撃つぞ!!」  ケネスがトリガーに指をかけた時に、首筋に不快な液体がかかる。  振り返れば、もう一つの物体が目の前にいる。  恐怖のあまり、引き金を引いた。二発の弾丸が撃ち出される。 『グブッググブ』  二体の物体は苦しそうに呻きながら、それは倒れた。 「死んだのか・・・?」  宿舎の方向から無数の近づいてくる影が見える。 「こいつらは一体・・・?」  ケネスは基地の外に逃げ出した。
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