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人影がゆっくりと近づく。ケネスは初めて、それをしっかりと見た。
人ではない。まして、生物ではない気がした。
全身どろどろに溶けているようで、腕のように伸びる二つの突起物からは、溶けた身体が垂れ流れ、両足も一歩踏み出すごとに地面に糸を引いている。
頭のように突き出た部分はあるが、顔はなかった。
ゴボゴボとホンプで水を流すような声を発しながら近づいてくる。
「何だ・・・お前は・・・」
ケネスは後ずさる。
「くるな。それ以上近づくな!」
ケネスはとっさに、ベレッタを構える。
「それ以上来るな!!」
その不気味な物体は、確実に近ずいてくる。
「撃つぞ!!」
ケネスがトリガーに指をかけた時に、首筋に不快な液体がかかる。
振り返れば、もう一つの物体が目の前にいる。
恐怖のあまり、引き金を引いた。二発の弾丸が撃ち出される。
『グブッググブ』
二体の物体は苦しそうに呻きながら、それは倒れた。
「死んだのか・・・?」
宿舎の方向から無数の近づいてくる影が見える。
「こいつらは一体・・・?」
ケネスは基地の外に逃げ出した。
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