走っている時は忘れられるのに・・・

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放課後、俺はいつもと同じ時間に校内を走りはじめた。 友達も含めて五人で走っている。 理科研究部の人間を数人集めて校内を走り回るちょっと迷惑な集団だ。 一応、階段部と言われている。 目の前に一組のカップルが手を繋ぎながら歩いてる。だが俺はそんな事気にせずカップルの手の間をスライディングをして抜ける。 「ゴメンネェ!」 そう言って手を上げ走り去る。 ポカンとしたカップルをよそに他のメンバーも走って抜けていく。 勿論、謝罪も忘れてはいない 「司!今のはマズイだろ!」 コイツは橋本 卓己(はしもと たくみ) 俺の行動にフォローを入れてくれる友達だ。 「天下の廊下でイチャイチャしてるあいつらが悪いだろ?」 「まぁ確かにリア充爆発しろとは思ったがな、ありゃやり過ぎだ」 「どうせ非公認の活動だし気にすんなって!ナンクルナイサー!」 「非公認だからまずいんだっつぅの!」 俺は説教されるのがいやになってスピードを上げた。 前にはかなりの人間が集まっている。 後ろからスピードを落とせと声が聞こえる。 だが俺は逆にスピードを上げた。 俺はこいつらに当たらずにここを抜ける自信があった
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