はじまりは兎の穴を真っ逆さま

3/3
80人が本棚に入れています
本棚に追加
/548ページ
「ねぇ、白ウサギ…」 …何でしょう? 「わたし…このお人形さん…欲しいな…」 「この…吸血鬼のお人形さん…」 …貴女が…望むなら…喜んで… … 身体が落ちて、遥か彼方に光が見える どうやら穴に落ちたみたい …穴?どうして穴に落ちているの? さっきまで自分のベッドで寝ていた筈よ それでも尚も落ちていく身体 …これは夢かしら? 机、椅子、燭台、絵画、寝台、ピアノ 家具たちが私の周りを漂い、舞っている ぁぁ、やっぱり夢だ だって此処にあるのは全部私の部屋の… 不意に身体が地面に当たる そのまま突き抜け、地面に叩き付けられる …地面を突き抜けて、地面に叩き付ける? 変に思い、眼を開ける 何時もと変わらない、見慣れた部屋 が、頭上に広がり、 横にはシャンデリアが生えている 逆さまと思った瞬間、身体が床に激突する ぁぁ、何て夢なの?身体中が痛い そう思いながら身体を起こすと、そこには 「…おはよう、アリス」 .
/548ページ

最初のコメントを投稿しよう!