チェシャーの猫の様に、ニヤニヤ笑う

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昔話に出てきそうな、森の中の小さな村 絵に描いたようにのんびりとしたその村に 正確には その村の酒場に沢山の村人が集まっていた レストランも兼ねているその店の一角に 皆の視線は集中していた 何十枚と積まれた皿が山となり、 幾つもそびえ立っているテーブル そのテーブルを目に、優雅に紅茶の入った 白いカップを口元に運ぶ少女 髪は輝く金、瞳はエメラルドの様な碧、 肌は雪の様に白く透き通り、 薔薇より紅い唇を引き立たせ、 黒いゴシックドレスからは 華奢な手足がスラリとのびていた まるで人形(ツクリモノ)のように美しい そんな少女が 恐らくこの皿の山を作り上げたのだから 村人達が注目してしまうのも無理はない .
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