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西の空に太陽が沈み、茜色が辺りを包む
東の空は紺に染まり、星が瞬き始める刻
森の一角、
茜色に染まった色とりどりの花が生い茂る
その中に、一匹の狼がいた
大型犬より少し大きい位の大きな身体に、
栗色の毛並み、瞳はアイスブルー、
余り見かけない変わった色をしている
その狼は花畑を見ていた
狼が見つめる先には人が横たわっていた
金の長い髪と漆黒のドレスを花畑に広げ
白い肌が見え隠れする手足を投げ出し
長い睫毛を伏せ、静かに息をしている
「…こんな所で、何してるの?」
さわさわと木々が揺れる音の中
不意に聞こえた声
少年と青年の狭間、高くもなく低くもない
そんな声だった
その声に反応し、閉じていた目を開ける
碧の瞳で声の発せられたであろう方を見る
そこにいるのは狼だけだった
「…お腹すいたの」
しかし
彼女-アリスは迷わず狼に話し掛けた
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