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その声は虚空へと消え、誰の返答も無く時間が過ぎる。 だが、 「………………チッ…」 舌打ちと共に一人の人物が、公園近くの林から姿を現す。 若い、20代前半の様に見える、真新しいそうなスーツを着こなした男だった。 「流石じゃないか。何時気付いた?」 「…最初からだよクソボケ。テメェみたいにあからさまに殺気バラまいてりゃ猿にも分かる。」 面倒臭そうに少年が答える。 男は少し緊張したような引き攣った微笑を浮かべ、片手を上げる。 すると男が出て来た草むらからさらに6、7人の屈強な男が現れる。 男はヒステリック気味の乾いた笑い声を上げながら言う。 「……わるいなぁ……お前に死んでもらわねぇと……組での俺の立場がねぇんだ。」 「…………。」 少年は10人近くの凶器を持つ男達に囲まれながら、一つの事を考えていた。 (……コイツらに狙われる理由は……まァ…面倒臭ェからどォでもいい。恨みなんざ腐る程買ってきたしなァ…) 今までの自分の人生は悪行だらけだった。 人を殺す事だって珍しくも何ともない。 少年が考えていたのはそこではない。 じりじりと差を詰めてくる男達に少年は、 グチャリと裂けるような笑みを浮かべた。
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