呪われし子

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衣知羽の言葉通り、キツネ目の男が食事を運んで来た。 かろうじて言葉を交わすことは許されているようだったが、向こうが快く思っていないのは明らかだ。 その様子を、沙弥と孝太は押し入れから窺っていた。 「隠れて」と衣知羽は言ったが、これが正解だったのだろうかと孝太は疑問だった。 山から降りる道を聞くチャンスを、みすみす逃してしまったのではないか。 沙弥が掛かったという罠だって、動物の狩りのための物だったのではないか。 「もう、いい。三人で食べよう」 押し入れが開けられる、衣知羽だ。 衣知羽は、泣き出しそうな顔をしていた。      
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