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三人で分けるには少ない食事だが、胃に何か入れておかないと、逃げ出すことも出来ない。
孝太は無言で咀嚼を繰り返した。
食事が済めば、沙弥が衣知羽に何かと質問を始める。
村についてだ。
孝太は疲れ果てた身体を床に横たえながら、おとぎ話に似た衣知羽の言葉を、何の気無しに聞いていた。
「カナ村は神様に守られてる。でも、神様今は休んでる。だから神様の再来を願う神のつかい子と、呪われし子がいる」
カナ村は漢字で書くと「神鳴村」と表記するようだ。
シッカリとした手つきで、衣知羽は複雑な漢字を書いた。
思ったよりも、知性はあるのかも知れない。
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