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月が丸い、つまり満月の夜にだけ行われる儀式。
この村は月を信仰していると見て良いだろう。
「コタ、ヤバイって。絶対ダメだよ」
「心霊スポット巡りを毎回止める俺の気持ち、少しは分かったろ。でも今回ばかりは、俺も強行突破させてもらうからな」
怯えている沙弥を一人残して行くのは男として間違った判断かも知れないが、無知であることが恐怖を増長させているのならば、知るしかないのだ。
「お前はココで休んでろよ、頼むから」
最後の一言は、切実な願いだった。
もう、沙弥を失うような思いだけはしたくない。
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