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祠への道は、意外と簡単に見付かった。
村人にとっては神聖な儀式なのだろう、彼らの持ついくつもの眩い提灯が、道案内をしてくれていたからだ。
暗がりに目を凝らして、耳を澄ませた。
月明かりがあるとは言え、辺りは夜の闇に浸っている。
真っ暗な夜に、提灯とは違う、ヒトダマが浮かんでいた。
それもひとつではない、ふたつ。
孝太はひゅっと息を飲んだ。
が、それは、少女の白い頭だった。
衣知羽と……鏡合わせをしたように衣知羽と同じ顔をした少女。
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