呪われし子

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鐘の音が次第に弱いものになり、恐らくは終焉を迎えようとしているのだろうと孝太は思った。 やばい。 このままでは見付かってしまうのは明白だった。 「ちっ」 孝太は舌打ちし、地に縫い付けられたように動かない足に苛立ち、太腿を拳骨で殴り付ける。 馬に鞭打つように、ただ動け、と祈った。 カーーーン、と一際大きく鐘が鳴らされたと同時に、びくんと身体が跳ね、力が戻った気がした。 いとも簡単に立ち上がり、そのまま振り返らずに、走る。    
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