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召喚と共に、二人の目の前には訳のわからない魔法陣が現れた。俺のは小さくて安易で、対してレイの魔法陣は大きく複雑だ。魔中学校のときの兄貴ほどではないがな。
レベルの差が響いたのか、レイの召喚モンスターの方が早く出て来た。さてお手前拝見だな。
「なっ! でっか! かなり強そうだぞ」
全身から汗が止まらない! 危うくちびりそうになったが、兄貴にいびられるのが好きなMでは無いため、このことは永久に心に鍵を掛けておくことにしよう。
「強そうだな」
「兄貴!」
「エリア外まで来過ぎだ。追い詰められるぞ」
「確かに、中に戻るわ」
兄貴までもが賞賛した召喚モンスター、深紅色のドラゴンだった。何かまがまがしいなあ。ああ、くわばらくわばら。
「ガルルルルッ」
「ガルルルルッ!? ドラゴンの鳴き声!?」
あれ? ドラゴンの鳴き声ってどんなのだったっけ。俺が思うドラゴンの鳴き声は「グギギアァアァ」何だけど。と言うかドラゴンの泣き声に定義が無いか。
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