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俺は落ちこぼれだ――
誰かが自分に向けて言った訳でも、噂を聞いた訳でもない。ましてや自分自身で落ちこぼれと認識したいわけでもない。だが落ちこぼれなのだ。
魔法が使えない魔法使いなんて、落ちこぼれ同然なんだ。いやもう存在価値すらもないのかもしれない。現に今までの周りの態度で予想はできていた。
これまで通りただ呆然と人生を終わらせるだけだと思っていた。
しかし運命の歯車はしっかりと動き始める。まるで今まで動くことを待ち望んでいたかのように。
そしてその歯車は、
奇跡を起こす。
いや、
この俺の一世一代の物語は、
必然な出来事かもしれない。
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