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桜舞う4月の始め、等間隔ごとに植えられている桜からゆらゆらとピンク色の花びらが落ちて来る。地面はこの季節しか見られない色で染まっている。まるで俺を招待しているかのようだ。
空からは明るい日差しが注がれ、桜の隙間からときより眩しい太陽が顔を出した。さあ明るい魔高校生活が始まる。ゲームや小説ならそう行くだろう。
だが現実とは無情な人生を送らせてくる。現に今の俺は現実と言うものを身体に叩き付けられている。
「なぜだぁ!」
と、俺は叫んだ。一応周りに誰もいないことを確認してからな。誰かいたとしても俺は気にしていたかどうかは否めないが。
今のご時世、魔法は当たり前のようにある。しかし俺こと瀬口夏火(せぐちなつか)は魔法が使えないことはないがレベルが低い。
俺は今から魔高校一年生だが、魔法なら魔小学生にすら劣る程だ。実際小学生相手に本気の勝負を仕掛けて、しかもぶざまに完敗した時は涙が止まらなかった。土下座したのも今となってはいい思い出だ……よな。
「よう、バカ」
「誰がバカだ! 人より少し劣っているだけだ! それをバカと呼ぶ説もあるらしいが、俺は認めない!」
「そんな説初めて聞いたな」
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