254人が本棚に入れています
本棚に追加
/247ページ
「俺はどの部隊に入ろうかな」
「兄貴は既に決まってるだろ、俺への皮肉か」
普通は現段階では決まっていない。しかし兄貴は既に決まっている。
この魔高校の実技入学試験で、トップ５０に入った者は無条件でその５０人の部隊を作ることになっている。
もちろん入らなくても良いがそんなやつは皆無だろう。なぜなら学年の最強の部隊がこの部隊になるからな。
「で、兄貴の入る部隊は」
「このまま行くと、黄金龍に入るな」
一年の最強部隊は黄金龍か、なんだか強そうだな。いや強いか。
「お前は何の部隊に入るんだ」
「…………」
兄貴の唐突な質問に言葉が詰まる。
実は俺はどの部隊にも入れないだろう、いや入れて貰えないと言うのが正しい。実力が無いのだ。学年３位の兄貴には理解出来ないことだから腹が立つ。
この学校は実力に応じてレベルが付けられている。下から順に、H、G、F、E、D、C、B、A、S、SSと分けられる。これで実力が分かってしまうから俺は苦しい。
実力も資質もあるSSレベルやSレベルは『黄金龍』に殆ど集まるだろう。現に兄貴はSレベルだ。
最初のコメントを投稿しよう！