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「あのカナルさん、木刀なんて危ないですよ」
「殺しますわよ」
なんでだぁ!俺は怨まれるような行いは一切していないのにぃ。
「カナル!木刀なんか持ち歩いて駄目でしょ」
「お姉はそんなにもあいつのこと……」
エリュードはカナルさんの口を塞いだ。なぜか「違うわよ」と連呼している。あいつって誰なんだろう。
カナルさんはどうやら説得されたようで、木刀は自分のロッカーに置いて行った。とりあえず撲殺は回避したぜ。
「それより暇だな」
俺は足をぶらぶらさせる。
「ならこれで遊ばない」
ミラは何かカードのようなものを持っている。なんだトランプじゃ……あれは!。
「ミラ、まさかそれディスケイブルフ社の『武器と盾カードⅦ』じゃないか!」
俺の言葉に全員がミラの方を見る。あの兄貴でさえ見ている。
ディスケイブルフ社と言うのは、今や魔界、天界、地上のゲーム界を牛耳っている会社だ。
その中でも超絶に人気のあるカードゲームが『武器と盾カード』と言う。
人気があるのだが、制作にかなりの時間がかかるため発売数は少なく値段はとても高額なんだ。
ゲームオタクの俺でさえⅤまでしか持っていないのに。こいつ何者だ。
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