『朱き翼』VS『ハートのA』

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雲一つない晴天な空、5月に似合うような程よい暖かさ。まさに最高の一日と言うのはこの日に近いだろう。 さあまだ学校に行くには早い時間帯だ。 趣味に没頭するのもよし、気ままにテレビを見るのもよし、もう一度寝るのもよし。この時間が1番楽であり自由な時間だ。 カレンダーでこれからの予定でも確認しようとしたら、今日の日付に赤色で×と書かれている。 ついに来てしまった。いや待ち侘びたと言う気持ちの方が強いのかもしれない。 今日から部隊編制期間が無くなる。つまり部隊同士の戦いが今日から繰り広げられる。 今思えば長かったような短い部隊編制期間だった。 「朝飯でも食うか」 パジャマ姿のまま階段を下りる。 「あれ?」 階段を下り切るとふと良い臭いがした。どうやら誰かが料理を作っているらしい。まあ兄貴と2人暮らしだから料理を作っているのは兄貴だが。 「おはよう」 「おはようナッカ」 あれっ?今なんかすごい違和感があったんだが。 「なにボーとしてんのよ、早く手伝いなさいよ」 「なんであんたがここにいるんだよ!」 キッチンにはエリュードがいた。不法侵入罪だぞ。
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