『朱き翼』VS『ハートのA』

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兄貴はエリュードが作った料理を食べ始めた。 借りを返すとはいえ俺に対しては一応好意なので、「いただきます」と感謝しながら食べ始める。 至って普通の料理だが、卵焼きにはハムが入っていた。どうやらひと手間加えたらしい。 「卵焼きはどう?ナッカ」 「美味い」 「えへへ、よかった」 エリュードは安堵の表情をした。なぜかとても可愛く感じた。 「……え……」 「兄貴まさか!」 兄貴がぶつぶつと言っている。大変やばい状況だ。 「かわええっ!!」 「おい!兄貴!」 兄貴はエリュードを自分のひざ上に乗せて頭を撫で始めた。 「ちょっと宇宙!やめて……へぅぅ」 エリュードは力が抜けたように抵抗をしなくなった。どうしたんだ。 「ウチは頭が弱い……へぅぅ」 「兄貴はロリコンだからな」 実は兄貴はロリータコンプレックス、これが兄貴の唯一の駄目なところだろう。 こうなってしまった兄貴はどうすることも出来ない。どんな完璧な人でも駄目なところはあるとここから教わった。 「この兄貴を見てると、兄貴のイメージが崩壊するんだよな」 客観的に意見を述べたあと、俺はエリュードを助けることにした。
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