スミス船長

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空は晴れ渡っていた。 「快晴だな」 隣にいるマードックに対して出た第一声がこれだった。 船はアイルランドを離れ後はニューヨークを残すばかり。 見渡す限りの広い海。 これを待ち望んでいた。 世界最大の客船で今私は最後の航海をしている。 「全速前進だマードック」 「分かりました」 そう言って彼はその場を去った。 舵室に戻った彼が私の言葉をムーディーに繰り返して伝えているのが聞こえた。 数分もしないうちに船は速度をあげ船首が水を激しく掻いて進んでいく。 北大西洋へそしてあの氷山へ~
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