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コツリコツリ
空は灰色に染められ、気持ちもどんよりと暗くなっていきそうな
そんな風景――
そこにはカラカラという風車の音と
一つの靴音しか存在しなかった。
その靴音を鳴らしていたものは、
ゆっくりと空を見上げ呟く。
「ついにこの世界にも破壊者が現れる。あいつに、侵食される…。」
目線を道の先へと向けると、
半透明の壁が突如あらわれ男を飲み込む。
壁が消えたあとには男のすがたはなかった。
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