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照井の方を振り返った大樹は信号をモチーフにした――トライアルメモリを手にしていた。
しまっておいたはずの場所を握りしめたが、
そこにあるはずのものはない。
「君が刑事なら僕は泥棒さ!これはいただいておくよ!」
指で鉄砲のかたちをつくり、
照井にむけ撃つ真似をしたかと思うとすぐさま走り去っていった。
「きさまッ!待て!!」
照井もすばやく体制を立て直し、大樹を追うため走りだした。
こうして刑事と泥棒の追いかけっこが始まったのだった。
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