1.Dの旅人

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「へぇ、珍しいな。」 そう言って驚いた様子をみせるのは、 さわやかという言葉をそのまま形作ったような青年――小野寺ユウスケだった。 「とにかくこの世界での士くんのするべきことを探さないと。」 はっきりとした口調で話すのは、 おしとやかな外見になにか決意を秘めた強い瞳をたずさえた女性――光 夏海だ。 「まあ、そう焦るな。とりあえずこの世界のことを…。」 スッ 話していた士の上に突如半透明な壁が浮かび上がり、 覆いかぶさるように士を飲み込んだ。 「あっ、士くん!」
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