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その日から彼の病状は回復の一途を辿る。
あんなに悪かったのが嘘のように身体が軽くなった。
そしてついに、退院の日となる。
もう窓から外を見て過ごすこともない。
晴れやかな彼だが一つだけ心残りがあった。
それは病院の隅に植えられていた水仙の花。
毎日水をやっていた小さな花畑は、熱で寝込む前に小さな蕾を付けていたはずだった。
それが今では咲いた痕跡もなく蕾の下あたりで切られている。
まるで大きな鎌でスッパリ切り取られたようだと、知り合いの看護士が彼に言った。
私の話は以上です。
お次はどなたでございましょう?
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