マイ スィート バレンタイン

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  詰め寄る一条先輩の鼻先に、シュッと人差し指を突き付けて、 二宮先輩はその指を左右に『チッチッ』と軽く動かした。 「オレの情報網を甘くみるなよ。お前の行動なんか手に取るようにわかるんだ。隠れてコソコソと美咲をモノにしようなんて100万年早いぜ、すぐる」 「なんだと、俺がどこで何しようとてめぇには関係ねぇだろ。いったいどこで調べた…出でけ!」 一条先輩の顔には納得がいかないといった険しい表情が浮かんでいる。 あぁ…、せっかくのロマンチックなムードが… 「な~んてね。この前家に帰った時、たまたまお前の部屋に入ったら、机の上に手帳が置いてあるのを見つけたんだよ」 一条先輩の追求に、しれっとした口調で二宮先輩は答える。 「見てくださいと言わんばかりに置いてあったからさ、遠慮なく見せてもらったぜ。そしたら今日の予定とホテルの名前が書いてあった」 「何が『たまたま』だ、てめぇはいっつも俺の部屋勝手に探ってるだろう」 「そんなに大事なモノなら忘れる方が悪い。お前にしては痛いミスだったな」  
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