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「くっ…あ、あの日は内勤で手帳を忘れてたのに気づいたのは電車の中だった。まさかお前が帰ってくるとは思わなくてそのままにしてたんだ…」
「ーーでホテルに問い合わせたら親切に部屋番号まで教えてくれたってわけ。あっオレの分の宿泊費も追加しておいたからな、【お兄ちゃん】」
「うっ!カ~イ~…」
呆れるを通り越して、一条先輩は頭を抱えてしまった。
どうしよう…
二人のやり取りにオロオロするしかない僕ーー
「まぁせっかく三人揃ったんだし、今夜は飲み明かそうぜ。手土産も持って来た」
どこに隠していたのか、二宮先輩の手にはいつの間にかシャンパンのボトルが…
「ベルエポック、しかも幻と称される、ブラン・ド・ブランだ」
「へぇ~、綺麗なボトルですね。白い花が描かれてて。高いんですか?」
そのボトルがあまりに珍しかったので、僕は気になって尋ねた。
「正規品なら6万ってところかな。事務所の社長室から失敬してきた」
「ろ、ろくまんえん…!」
このホテルといい甲斐先輩が持参?したシャンパンといい…
今夜の僕は、何だかクラクラする事ばかり。
2010.01.15up
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