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「あーあ、寝ちゃたよ美咲」
「てめぇが盗んだ酒なんか無理に飲ませるからだ」
「盗んだなんて人聞きが悪い。ちゃんとオレ宛てに届いたチョコレート2箱分置いて来た。ギブアンドテイクだ」
「屁理屈こねるんじゃねぇ」
眠りに吸い込まれそうな意識の中、二人の会話が聞こえる。
「しかし、結構長く続いているよな。お前にしては珍しく」
「どういう意味だ」
「正直、お前はオレ以外の人間に興味がないんだと思ってたよ」
(ええ~っ…そんな)
僕の心の声が叫ぶ。
「何を勘違いしている。俺は美咲が本気で好きだ」
(はぁ~、よかった)
「そうかな、もしオレと美咲が同時に危険な状態になったら、果たしてお前はどっちを先に助けるんだろうな…」
「決まっている。美咲だ」
「それは表層意識で、だろう?無意識ではどうかな…。オレは知ってるんだぜ。お前がオレをずっと守ろうとしてたこと」
「…それは」
「オレはガキの頃病弱だったからな。お前は無意識にオレのナイトになろうとしてたんだろう?」
一条先輩…
そんなに二宮先輩が大切だったんですか?
2010.01.19-
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