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昔々あるところに、それは美しい人がいた。
名は咲子と云った。
咲子は、誰にでも、優しくて、心がとても綺麗だった。
ある日、咲子は家の近くで傷付いた子ギツネを見つけた。
咲子は迷わず子ギツネに傷の手当てを施した。
子ギツネは咲子の優しさに恋をした。
間もなくして子ギツネは元気になり、山へと帰った。
それでも子ギツネは、たびたび咲子の元へ訪れた。
言葉が通じなくても、子ギツネは咲子の傍に居れるだけで幸せだった。
子ギツネは、やがて大人のキツネになり…。
いつまでも咲子の傍に居るのは自分の命にめ限界がある事を、キツネは感じていた。
咲子は、たびたび訪れれキツネに問い掛けた。
「キツネ君、君はいつも此にくるが、奥さんは居ないのかい?私は、君の子供が見てみたいよ。」
キツネは咲子を愛していた。
しかし、人間とキツネ。
結婚が出来ない事もキツネは知っていた。
だから、咲子が幸せでいれるように…。
ただ傍で見ていたかった。
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