人を思ふ月

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キツネは少し呆れながら、仕方なくうなづいた。 「わかりました。神様と一緒に行きます。僕に出来ることがあると云うなら…ただ、行く前に一つだけ。…咲子さんに、お別れの挨拶がしたいです。」 「よかろう。ほんの少しの時間だけ、人間の言葉を話せるようにしてやろう。」 「ありがとうございます、神様。」 「キツネよ、夜空に居る時の名を、咲子という者に付けてもらいなさい。」 「キツネのままでは、いけないのですか?」 「さよう。キツネは地に沢山居る。だが、お主は特別になったのだ。」 「わかりました。では、早速行ってきます。」
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