北風と太陽

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昔々ある所に、 当然かのように意志を持った 北風(翔太郎)と太陽(フィリップ)がいました。 「あー…暇だぜ」 「君は朝からそれを何回繰り返すつもりなんだい」 「何回繰り返した?」 「257回」 「…わーぉ」 朝からこんな調子です。 こんな調子なので、フィリップはゲームを思い付きました。 「そうだ、翔太郎。 今からあの旅人の服を脱がせたら勝ちにしよう」 「えー、北風の俺に不利な話だよなぁ…」 渋々ながらも翔太郎も話に乗ります。 「…あいつか、旅人」 「照井竜。刑事らしいね。」 「それも『地球の本棚』か?」 「フフン、僕の情報源は全てこれさ」 「…んじゃまぁ、俺からいくぜ」 翔太郎は思い切り風を吹かせました。 「何だ…?急に寒くなったな」 照井は身震いをし、 着ていたレザースーツのチャックを閉めました。 翔太郎は見事に失敗です。 「あー…ホラ、無理だって」 「まぁ無理だったか… じゃ僕、いくよ」 フィリップは日を差し込ませ、暖かくしました。 「今度は暑くなったな… 今日は異常気象だな」 すると、照井は手で自身を扇ぎ、レザースーツのチャックを下ろし始めました。
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