ピース「季節柄…」

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2月27日。 せっかくの週末だというのに天気はあまりかんばしくなく、雪も降って寒い日が何日か続いていた。 放課後。生徒たちは授業を終え、久々のかったるい……いや、大事な大事な全校集会のために体育館へ移動していた。 私――吉川愛美は人の波に逆らいながら、飛んだり跳ねたりして七瀬たちを探した。 自分だけ仲間とクラスが違うっていうのはなかなか不便だ。この待っている間の心細さが嫌だ。 やっとのことで背の高い実波の頭を見つけると、私は逆行しながら彼女たちのもとへ進んでいった。 「どうもー」 「ああ、愛美ちゃん」 「お、やっほー」 しかし私の予想と反して、実波の隣には有璃の姿しかなかった。 「……他のみんなは?」 「あぁ。あんちゃん(詩織)は保健室、佳音ちゃんは早退したよ」 「えぇ?! どうしたの?!」 「二人とも風邪。この時期多いだろ? 一緒にいるから伝染っちゃったのかもね」 有璃はそう言うと、「手洗い・うがいは大事だよー」と一人でうんうんと頷く。 (ウチも帰ったらちゃんとやらないとなあ……) まあそれはスルーするとして。 「じゃあ七瀬も風邪?」 .
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