第一章

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アルバイトの面接にはいったものの、不幸が服着て歩いているような、この俺が採用されるなんて…… 木下 「かなり色々なアルバイトを経験しているようだね」 大翔 「はい!色々とやらせてもらってきました!」 父さんが死んで天涯孤独の身になってからしばらくは家族ぐるみで付き合いのあった知り合いの家に預けられていた。 だが、いつまでも人様の家にやっかいになっているわけにもいかず、働ける年になってすぐかたっぱしから仕事についてらなんとか一人暮らしをしていた。 そこでも不幸はついて回ったけど… 木下 「うちはアルバイトから社員になった人間も多いし、君の経験を生かして、うちでもしっかりやってくれると期待しているよと」 大翔 「は、はいっ!」 あぁ…… ビルの窓拭きをやっては、命綱が切れ、 宅配ピザで働けば、出前先は組事務所だとか、 道路の誘導員をやればトラックが突っ込んできたりとか…… 災厄だった。害悪だった。最悪だった。
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