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長い直線の向こうに小さく見えていた漆黒のGSX-R400がテル達ギャラリーの見ている便所コーナーのヘアピンカーブに向かって凄まじいスピードで猛然と向かって来る。
黒い点だったバイクが見る見る迫ってくる、しかしカウルの向こうに在るべき人の姿が見えない。ルーキーは幻を見ているのか?
そしてその無人のバイクはヘアピンカーブが間近に迫っているというのに、一向にシフトダウンもブレーキングもする様子を見せない、全開のまま突っ込んで来るのだ。
黒い無人のバイクはもう目の前に迫っている。
「うわあぁぁ、こっちに突っ込んで来るぞおぉぉぉぉ!」
ギャラリーが蜘蛛の子を散らす様に、逃げる
バイクの突っ込んできそうな場所に空間があく。
しかしただ一人逃げず、その空間のど真ん中で腕組みをして仁王立ちしている男がいた。テルだ。
テルはただ一言呟いた。
「奴の名前はスバル、伝説の男、星野昴だ…」
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