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  「そうね。昔は私たちが会うのも一度か二度だったのに」 「四季がある所ってのは貴重なんだけどな。どんどん曖昧になって嫌になるよ」  天空から白いものが降り始めた。薄暗くなった景色の中でサクラの花弁と雪が交差する。  落ちた雪は水になって大地に染み込んでいく。 「このまま地球の温度が上がっていったら、俺が夏に会える様になったりしてな」  タンポポの葉の上に残った白い結晶を見ながら冬が呟いた。  
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