purologue

5/35
前へ
/36ページ
次へ
     ☆ 真っ赤に染まった部屋。 掌にこびりついた雫が離れない。 俺が何をしたんだろう? 刃に抉り取られた内蔵から、滴り落ちるそれを、果たして現実と呼べるのだろうか? その視界の遠くに見える小さな女の子が俺を手招く。 だけど、瞳が霞んで、顔は見えない。      ☆ 何度も叩き付けられた頭。 何度も殴られた身体は、動く事を忘れて息も出来ない。 幼い身体は、その時に理解した。 これが死なんだ。と これで終わりなんだ。と 「知ってる?神様なんて、この世界には居ないんだよ?」 小さな声が聞こえた。 「居るのは、生にしがみつく哀れな玩具だけ」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加