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パソコンの誕生、インターネットの普及、誰もがITに関する必要十分な機能を手に入れるチープ革命、そしてグーグルによる世界の知の体系化。
「知と情報」に関しては「リアルの地球」と同じくらい大きな「もうひとつの地球」とでも呼ぶべき存在へとネット空間が発展している中、その新しい可能性を試したくなるような興奮と視座をこの本は与えてくれた。
知がネットを介して容易に共有されるこれからの時代は、ある分野を極めたいという意志さえ持てば、あたかも高速道路を失踪するかのように効率よく過去の叡智を吸収できる。
しかし、この「学習の高速道路」を走りきったあたり(その道のプロ寸前)で待ち受けているのは、大渋滞である。
同質の勉強でたどり着けるのはそこまでである上、誰にも勉強の機会が開かれているだけに参加者も増え、後続が次々と同じ場所まで失踪してくる。
著者はこの大渋滞の先でサバイバルするための道として、大渋滞を抜け出すことを目指す「高く険しい道」と、高速道路を下りて道標のない道を歩く「けものみち」の二つがあるとし、それぞれの道を生きていくための視座が本書のメインテーマとなっている。
しかし、本書は決して「もうひとつの地球」でいかに飯を食っていくかに終始しているわけではない。
著者、そして本書の根底に流れているもの、それは「Optimism(楽観主義)」ではないだろうか。
サバイバルしようとする強いエネルギーは、サバイバルできた先の世界への希望から生まれるのであって、先行きの見えない不安からではない。
「The only way to do great work is to love what you do.」(偉大な仕事をする唯一の方法は、あなたがすることを愛することだ)というアップル創業者スティーブ・ジョブズも述べているように、対象を楽しもうというポジティブな考え方が成功するためには必要なのではないだろうか。
このポジティブなエネルギーを元に、自分が何になりたいのか、何をしたいのかを模索し、その実現のために日々自分を磨く。
分野を問わず、これは重要なことではないだろうか。
本書は就活中の学生に特に勧めたい。
「What I am」を「What I want to be」に変えるだけでも、
自分に合う職場を探そうというモチベーションが沸いてくるはずだ。
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