DARK＆ANGEL

漆黒の怪盗

今日も夜の街は賑やかさと共に寂しさも兼ね備えている。

都会なら夜になればそこから盛り上がったまま朝まで迎えるだろう。

しかし、都会では無い場所特に自然が生活の近くにある場所はそうでは無い。

自然が人を静寂へと誘っているのかもしれないし、人が自然を寝付かせようとしているのかもしれない。

どちらにせよ都会と比べれば活気は無いかもしれないが得られる物はたくさんある。

ここ“ﾍﾞﾛｰｱ”もそんな場所の一つだ。

ﾍﾞﾛｰｱは海と隣接しているので漁業が盛んであり田舎の街にしては活気がある地域である。

珍しい動物もたくさんいてそれを見に観光しに来る者までいる。

だが最近ﾍﾞﾛｰｱに来る人たちの九割が目的が同じなのである。

その目的とは、突如現れたある一人の怪盗を我こそ先だと言わんばかりに見に来ているのだ。

そして、その怪盗が今宵静寂な街を歓喜のうずへと変えていくのだった。