噴水は儚くも止まった

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この年の日出高校の自由曲は、O.レスピーギ作曲、『交響詩「ローマの噴水」より』だった。 世間は言った。 「噴水は止まった」と。 日出高校は全国大会に98年までに5回の出場を果たし、いずれも金賞であった。 しかし、それ以来全国の舞台に立つことはなかった。 かつては、伊奈学園、埼玉栄、春日部共栄、狭山ヶ丘などと肩を並べて「5強時代」とか呼ばれていたが、今となってはそんなことはない。 また、西関東大会には95年以降毎年出場していた。しかし今年はそれが果たせず、まさに日出の「噴水は止まった」のだ。
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