†夢の華†

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「ユメを守って。お願いだよ」 どんよりとした薄暗い雲と鬱蒼と生い茂る木々に囲まれた世界で。 目の前に浮かぶ真っ白な生き物が私に話しかけてくる。 垂れ目のゴマフアザラシ……のようにしか見えないんだけど。 でも宙に浮いてる。 「ねぇ。お願い。  すべてのユメが消されちゃうんだ」 おかしな生き物は無反応な私にめげずに話しかけて続けてる。 ユメを守ってって? なにそれ? てゆーかぁ…… アンタ何者? そもそも。 ココはどこなのよ~っ!? 思わず声に出てしまった私の問いに、アザラシもどきが垂れ目を丸くして私を見つめ返す。 今更何言ってんの? とでも言いたげな顔で。 「まさか。何もわかってないなんて……」 ソイツは独り言のように呟いてたんだけど、全部聞こえてるわよ。 何もわかってないですが。 何か? だって、気付いたら知らない世界で、目の前にいたのが宙に浮かぶゴマフアザラシだなんて状況。 一介の中学生の私には、体験したコトも聞いたコトもないんだからぁ!
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