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そんな私の想いを当たり前のように理解してるらしきドーラが俯く。
「すべてがキミの思い通りになる世界なら、こんなに困りはしないんだ」
そりゃごもっとも。
確かに今まで見た夢だって、自分の思い通りになってくれたことなんてない。
「だけど。忘れないで。
ココではユメカだけが使えるパワーがあるはずだから。」
最初に見せてくれた真剣な表情。
「この世界で。キミだけは諦めないで。ユメの存在を信じていて」
未だ状況はよくわかってない。
でも。
こんな真剣な眼差しを向けられて、その言葉を拒絶するようなことは、私には出来なかった。
ドーラの言葉に深く頷いた私に、彼は初めて安堵を交えた優しい笑みを浮かべた。
せっかく可愛い垂れ目なんだから。
笑ってるほうが似合う。
そう思った瞬間。
真っ白なドーラの頬が赤くなったように見えたのは、たぶん気のせいじゃないと思う。
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