149人が本棚に入れています
本棚に追加
「見て見ればわかる」
そう一言だけ言って女の子に背中を向けた
「??」
何をしたのかも解らないまま、恐る恐る胸元を見る
「あ…」
「大丈夫のようだな」
そう
制服が治っていたのだ
「さて、魔術学園の生徒だろ?一緒に行かないか?」
どうやって?と聞こうとしたが、澪のブレザーを返して分かった
同じ学園の生徒だと
ならいつでも聞けるだろうと聞くのを止め、澪の提案に頷いた
「澪、黒夜 澪だ」
「伊澄 楓(いすみ かえで)です」
伊澄と聞いて一瞬表情が濁ったが、楓は気づいていない様子だ
「それじゃあ行くか」
「はい」
澪の左側を2歩程下がってついて来る
スッと楓に視線を移す
(楓か……)
何かを思い、視線を正面に向けた
特に会話もなく、足を進めるが2人への視線は絶えなかった
そこにふと澪が口を開く
「楓は何年生なんだ?」
「私は16歳なので、高校2年生ですよ。澪さんは?」
「この国の法律が変わったのは知ってるか?」
はい。
と肯定する
「それでだ。前までは世話になっていた人の下で働いていた」
「そうなんですか。つまり今日から編入なんですね」
楓の考えに頷き、肯定を示す
なら。
と、言葉を紡いだ
「学園長室まで案内しますね?」
「助かる」
と話しをしていると、いつの間にか学園に着いた
最初のコメントを投稿しよう!