第1章 編入

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「……早く…行こ…?」 桜が裾をクイクイと引っ張る 「何故急ぐんだ?」 「遠いんですの」 唯の一言で全て理解した 遠いし休み時間が少ない故にだろう 桜に引っ張られながらも、走る澪 「もーっ!何で遠いのよっ」 桔梗が走りながら叫んだ 少し辛そうに息が上がっていた だが、足は止めない 「つ、着いた…」 走って7~8分 闘技場に到着した 桜を除く3人は肩で息をしていた 「何…で、澪さん…は…平気…な、んですか?」 息を調えながら楓が口を開いた その質問を聞いてか、桔梗と唯も興味津々に澪に視線を向けた 「ん?肉体強化したからだ」 肉体強化 とは、身体に魔力を纏うことで身体能力を向上させることを言う 肉体強化は身体全体を指し、腕や足など個々に纏うのを局所強化という 「桜は何でですの?」 「……わかん…ない?」 まだ裾を掴んでいた桜が、不思議そうに首を傾げては澪に視線を向けた 「俺に捕まっていたからだ。肉体強化は全身に纏われるのだが、自身のみではない。 つまり、1人が肉体強化をして手を繋ぐともう1人も肉体強化された状態になる」 だからだ。 と説明を終えた 「全員居るなー?」 ちょうど良く剛が転移してきた その声に反応し、剛の周りに集まる 授業開始のチャイムも鳴った
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