プロローグ

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何してんだ、この人。 それが、僕が中宮真夢先輩と初めて出会った時の感想である。 思えば、帰宅部禁止の校則から適当に楽な部活を探していた時に、「幽霊部員歓迎」という見出しに食いついた僕が悪い。 部員名簿に名前だけ載せて、後は事実上帰宅部になればいい。 それならどんな部活だろうと関係ないだろう。 そんな理由で、僕は『リサイクル部』という得体の知れない部室のドアを叩いたのだ。 そして、そこで待ち受けていたのは、 「あ、一年生さん? いらっしゃい」 大量のガラクタに押し潰された、一人の少女の姿だった。 まさに何してんだ、この人である。 「あの……大丈夫、ですか?」 「うん、大丈夫ではあるんだけどね」 どうやらガラクタ自体はそんなに重量がなく、目に映るほど危険そうではなかった。 「じゃあ、抜け出せば……」 「うーん、どうもスカートが引っ掛かっちゃってねぇ。あ、そこの君、助けてくれないかな?」
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